【短歌】拭っても拭ってもなお雨垂れは頬を滴る 少ししょっぱい【涙】

短歌

 

こんにちは、taicchanです。

2021年春より短歌を始めたビギナー歌人です。
ずっと「定型を守る」ことだけを意識して1年間約750首の短歌を作ってきました。

この記事では、そんなビギナー歌人のtaicchanが日課として一日一首ペースでInstagramへ投稿している自作短歌を解説します。

僕と同じように短歌ビギナーの方にとって、創作のヒントになったら嬉しいです。

 



今回も通勤中の風景短歌シリーズです。
5月に入ってから詠んだ歌ですが、写真は4月末に撮った一枚。
通勤電車の窓に、雨が打ちつけて雨垂れがびたっと滴っている様子を収めています。

今年の4月は雨が多かったですね。
3月末から徐々に咲き、一気に満開になった桜が多かった雨で流されてしまい、桜の見頃が非常に短かったのが残念でした。

この写真自体は4月末の写真なので、もう道にも川にも落ちた桜は無くなってしまっていましたが、一方で若葉の新緑がより鮮やかになるような雨が4月後半は多かったように感じます。

花と同じように、雨もまた短歌では鉄板のテーマです。
雨自体をうたうこともできますし、直喩・隠喩どちらにも活用できる万能テーマです。
雨の歌は4月序盤にも詠んでいて、その際は『雨のことば辞典』(講談社学術文庫)を引いて、風景にマッチした言葉を探したりしました。

今回はそうした題材は引かず、写真からのインスピレーションのみで詠んでいます。

最初は窓ガラスを覆うような雨垂れが汗のようだったので、汗にまつわる歌にしようかと考えていました。
ただ、最高気温が夏日となるような日もあれば、10度台中盤にとどまる日もあって汗をかくのが必然の気候ではないよなあと考えて、こちらは梅雨の時期以降に保留としました。
春の雨は、気温を下げてしまいますしね。

汗という代謝に関わる思いつきだったので、汗を使わないと考えた際に自然と身体の動作で代わりの表現を探していきました。
辿り着いたのが、涙です。
窓を流れ続ける雨がまるで止まらない涙のように感じて、その情景を詠めないかと考えました。

車に乗っていたら「拭っても」のところに「ワイパー」などの言葉を入れるたりしたと思うのですが、通気電車かつ中盤の車両だったので雨垂れはただ窓を流れていくだけです。
なので、シンプルに雨が流れ続けているという情景を「拭っても拭っても」と同じ動詞を重ねることで表現してみました。

下の句に入るタイミングで滴っている場所として「頬」を挙げてこの歌がメタファー歌であることを提示し、額ではなく頬なので涙なんだよということを暗に示したつもりです。
結句の「少ししょっぱい」は涙にも汗にも通じますが、滴った場所を通じて何が滴ったのかを示そうと考えました。

前回投稿でも書いた、あえてオチを言わないというのを意識したので、脂汗をかいているようにも読める歌かなとは思いつつ。
この辺りの匙加減は本当に難しいですね。



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